Saori@destiny 「WORLD WILD 2010」 インタビュー

003_a


バイレファンキやファンキー・コタなど、海外直輸入のダンスサウンドをいち早く取り入れ制作されたSaori@destinyのニューアルバム『WORLD WILD 2010』。“ワールドワイド”かつ“ワイルド”な、J-electroミュージックの最新型がここにある!!




―Saori@destinyさんといえば、エレクトロを基調としたクラブサウンドでこれまでもご活躍でしたが、今回はまた思い切った内容ですね!

Saori@destiny:はい(笑)。2010年を象徴する“ワールド”をテーマにして、バイレファンキやファンキー・コタなど海外ダンスシーンの音を取り入れて。

―その辺りのジャンルって、ブラジルやインドネシアといった発祥の国でもさらに庶民を中心に盛り上がっているような特殊な音だと思うんですが。

Saori@destiny:日本人で、しかも女性アーティストでやってる人っていうのがあんまりいないじゃないですか。サブカル的にも、みんながやってない事をやるってのはオイシイかなって。

―確かに他にいないですよね。

Saori@destiny:でもこれがすごく大変だったんですよー!今までの歌い方と全然違うので。海外の女性アーティストでバイレファンキもやっているM.I.A.の歌い方なんかを参考にしたんですが、すごい低くてガラの悪そうな声だったりして(笑)。自分で出すのはとても苦労しました。

―これまでとは真逆ですもんね。

Saori@destiny:そうなんですよ!今まではサラッと、なるべくきれいな声で歌うっていうのが基本だったので、新しいヴォーカル・スタイルが「全然出来ない!」みたいな。

―歌詞も全部Saori@destinyさんが書かれているんですよね?

Saori@destiny:はい。曲のアレンジがおおよそ固まった段階でもらって、聴きながら歌詞を付けるんですけど。

―例えば『WORLD WILD 2010』なんてすごく変則的でアッパーな音で、「歌詞を付けろと言われても…」とか思いませんでしたか?

Saori@destiny:そうそう(笑)。最初はこういう曲に歌詞を付けた事ないから悩んだんですけど、発音や響きを重視してみたら他の曲よりも意外に簡単に出来ました。だから、全然意味がないって訳じゃないんですけど、それよりはノリを優先して。

―その割には、例えば〈イメージはリメイクで it's ok〉という歌詞や、英語でたたみかける所なんかも、バイレファンキというジャンルの本質を突いている気がしましたが。

Saori@destiny:本当ですか!?あんまり深く考えないで書いたんですけど(笑)。キャッチーにしたかったからカタカナ英語取り入れたりしてみました。

―歌詞の世界にも何パターンかありますよね。『エスニック・プラネット・サバイバル』や『Play』なんかはすごく過激な内容で驚きました。

Saori@destiny:現代の若者のリアルな現状みたいな。全員がこうじゃないですけど、ちょっと危ない若者の(笑)。今、携帯小説が流行ってるじゃないですか。彼氏がサイテーで、とか、ホストに貢いでる女の子の話とか、援助交際とか、そこら辺も参考に物語を作ってきました。

―自分で物語を組み立てていく作り方は多いんですか?

Saori@destiny:そうですね。自分の気持ちを書いてみた事もあったんですけど、私よく何考えてるか分かんないって言われるんですね。しかも自分でも何考えてるかよく分かんない時があるので、歌詞にすると本当に何が言いたいのか分からなくなっちゃって(笑)。物語にした方が情景も見えるし意味も分かるんです。

―(笑)。自分の気持ちを伝えたい!という時もあるんじゃないですか?

Saori@destiny:でも、こういう状況だったら私はこう思うだろうなっていう部分はどの曲にも入ってるんです。例えば『I can't』は初めて失恋の歌詞を書いた歌なんですけど、レコーディング中も歌ってると辛くなってきて、泣きそうでしたもん(笑)。

―言われると、歌い方にもそんな雰囲気が感じられました。

Saori@destiny:そうなんですよ!今までの『JAPANESE CHAOS』とか『sakura』とか、全部抑揚を付けずに、感情を込めずにサラッと歌っていたんです。でも『I can't』では歌い方を変えてみました。もう感情をめっちゃ出して!

―DJ JET BARONGによる『Lonely Lonely Lonely』のファンキー・コタ・リミックスも面白かったです。

Saori@destiny:バラードだった原型が残ってなくて、初めは「え?これが『Lonely Lonely Lonely』?」と思ったんですけど、聴いていくうちにハマりました。〈アーユーレディー!?〉とか、聴いててめっちゃ上がりますよね(笑)。7分くらいあるんですけど、全然長く感じないし、組曲みたいな感じでどんどん展開が変わっていくので面白いです。

―音も歌詞も非常に濃い、充実度の高い1枚に仕上がりましたね。

Saori@destiny:今までのSaori@destinyには無い、歌い方もそうですし、歌詞もそうですし、ジャンルもそうなんですけど、全部新しい事に挑戦した、今までで一番思い入れのあるアルバムになりました。時間も一番かかったし、一番苦労したし!本当に色んな人に聴いて欲しいですね。

(interview:小林博之)


jpg


ALBUM
「WORLD WILD 2010」
2010.4.14
VUCD-60006
http://saori-destiny.com/


※このインタビューは、UNGA! No.130(2010.4.30発行)に掲載された物です

Mizca 「?UFUFU?」 インタビュー

002_a


ガールズ・エレクトロのニューアイコンとして注目を集める歌姫Mizcaが、天才クリエイターpal@popとタッグを組み、最先端のクラブサウンドをたっぷり詰め込んだ1stアルバム『?UFUFU?』を遂にリリース! いよいよMizcaの全貌が明らかになる!!



―前回インタビューさせて頂いた『キラキラ☆』はMizcaさんがエレクトロサウンドを取り入れて初めてリリースされたCDでしたが、反響はいかがでしたか?

Mizca:最初は受け入れてもらえるか心配だったんですけど、新しく楽曲から入って来てくれる方々や、キラキラしたビジュアル面を気に入ってくれるファンの方々も増えて嬉しかったですね。

―心配なかったですね!

Mizca:そうですね(笑)。ライブに『キラキラ☆』を聴いて来てくれる人も増えて、一緒に歌いながら盛り上がってくれたり、ライブでは必ず振り付けコーナーもやってるんですけど、そこではみんなが踊ってくれたり。もちろんMizcaを知らない人もいると思うんですけど、そういう場で一緒に踊って盛り上がってもらえるのがすごく楽しいですね。

―一緒に盛り上がるには最適のサウンドですもんね。ニューシングルの『ダメよ?』もさらにノリノリで可愛らしい曲で。

Mizca:『キラキラ☆』はとてもキャッチーで、タイトル通りとにかくキラキラした世界観を表現した曲だったんですけど、今回はそこに切なさとか少し影も見せるような歌詞になってるんですよね。曲調もかなり覚えやすくて、歌謡曲っぽい要素も入れつつそこにエレクトロサウンドが合わさってる感じなので、激しいサウンドだけど自然に耳に入って来る。みんなが覚えられて、でもすごく斬新で新しい雰囲気の曲になってるんじゃないかなと思います。


―ところで、シングルごとにどんどん曲のテンポが上がって来てませんか? エスカレートしていってるというか。

Mizca:そうですね(笑)。特に今回は最初から最後までずっと早口で歌い続なきゃいけない曲なので、レコーディングでも大変でしたね。実際ライブでやっても、けっこう大変です。踊りながら歌わなきゃいけないし。

―サビの<ダメよ 涙が出ちゃうじゃない キレイにバイバイする約束でしょ ウソでもいいから精いっぱいの 笑顔作らなきゃダメよ! ダメ!>っていう歌詞がとても可愛らしいですよね。作詞作曲はプロデューサーのpal@popさんが担当されてますが、曲をもらった感想は?

Mizca:私はパッと学生時代の恋愛みたいな印象を受けて、自分の中にもリンクする部分が色んな箇所にありましたね。スタッフの人でも聴く人によって色んな解釈をしてるので、人それぞれ色々な捉え方が出来る曲だなって思います。

―カップリングに収録されている『last cross〜Virus Ver.〜』は、以前光岡昌美名義で歌われていた曲ですよね。

Mizca:これは元々ファンの方から頂いた声がきっかけだったんですけど、『last cross』ってみんなが一番知ってくれてる曲なんですね。で、ファンの方々が「この曲のエレクトロバージョンも聴いてみたいね」って盛り上がってくれた所から実現して。

―元々はいわゆるロック風なアレンジでしたが、また随分と変わりましたよね!

Mizca:最初に声が入ってない状態の音源を頂いたんですが、全然ガラッと変わってて、どんな感じの曲になるのか想像がつかなかったので、レコーディングして上がって来るまでがすごく楽しみでしたね。

―歌い方もだいぶ変わるし大変だったんじゃないですか?

Mizca:いや、割と余裕を持って歌えました。以前は歌う事で精一杯だったんです。自分の歌詞を自分で歌うっていうのが苦しくて、色んな事を思い出したりっていうのもあったんですけど、期間がけっこう空いていたので自分に余裕が持ててる感じがして。今回の『last cross』には必要な物と必要じゃない物があって、余分な重たい感情は捨てて、エレクトロのサウンドと合わさる事によって、聴いていて面白い感じになるようにしたかったので、色々こうしたいああしたいってアイデアを出しながら歌えましたね。

―なるほど。そして7月21日にはとうとうアルバム『?UFUFU?』がリリースされますね!配信限定だった『ROBOTICS』を始めとした全てのシングルが収録されて、盛り沢山な内容ですね。

Mizca:かなりバラエティに富んだ感じの作品がギュッと詰まっていて、曲間が繋げてあったりとか細部も凝っているので、ずーっと最後まで楽しんでもらえる作品になってると思います。

―やはりアルバムとなるとまた感慨深いものがあるんじゃないですか?

Mizca:そうですね。ライブでもやりたいな!って思う曲もたくさん増えましたし。

―エレクトロやクラブミュージックといったジャンル上での表現力も増して来ている印象を受けました。

Mizca:ありがとうございます。やっぱり曲を重ねるごとに表現したい事っていうのがはっきり見えて来て、1曲1曲に関しても、どういう曲にしたいかっていうのがそれぞれあるので、そういう事を考えながら歌う事が出来ましたね。

―出だしから『キラキラ☆』、『ダメよ? 〜Album Ver.〜』と激しいシングル曲が続きますが、3曲目の『切なさプラス』でガラッと印象が変わりますよね。落ち着いた感じで。

Mizca:これはMizcaの曲の中でも特に情景がはっきりしている楽曲ですね。メロディーも綺麗で、歌詞の中に春夏秋冬が出て来るので、色々な情景をイメージしながら歌いました。

―『C?ndy Girl』はMizcaさんが作詞されてますね。

Mizca:曲はほとんどpal@popさんが作詞されてるので、これはpal@popさんの曲にはない要素を書きたいなって思いながら書きました。ずーっと曲をエンドレスで流しておいて、聴きながら出て来た単語とか色んな言葉をノートにばーっと書き出して行って、その中から「この言葉は使いたい!」みたいに組み立てて行きましたね。

―pal@popさんにない要素というと?

Mizca:pal@popさんの曲よりももっと可愛らしくて、それでいて女の子のかけひきみたいな物も感じる世界観を作ってみたいなって思って。

―言われてみると確かに女性ならではの視点が感じられますね。刺激的な歌詞の『Chu!』も面白い曲で。

Mizca:そうですね(笑)。これはすごくpal@popさんっぽいなって思いました。曲と歌詞によって色んな表情がコロコロ変わっていくのがpal@popさんの歌詞の魅力だと思ってて、私自身はそういう事がまだ出来ないので、いつもすごいなーって思うんですけど、この曲は特にそう思いましたね。

―歌詞からは想像出来ない激しいサウンドがまた面白い世界観を作ってますね。普通こんなに可愛い歌詞で、あんな重いベースは使いませんよ(笑)。そして最後の曲『たっくんが好きなの・・・』、これまた異色作ですね!

Mizca:これはALLaNHiLLZのお2人にラップをして頂いたんですけど、最初は『すきなの・・・』っていう別の曲だったんですよ!ラップが入るとも聞いていなかったし。それがレコーディングをして、上がってみたらこういう曲になってて(笑)。

―知らない間に別の曲になってたんですね(笑)。

Mizca:はい。色んなフューチャリングの形ってあると思うんですけど、これは新しいかなって思いますね。あと『まーくんも好きなの・・・』っていうのもあるらしいです。

―(笑)。たっくん命の歌詞なのに!

Mizca:そうなんです。実はまーくんも好きだった(笑)。

―ラップ部分の男の子パートの歌詞が面白いですよね。

Mizca:このたっくんの全然空気読めない感じが(笑)。私的にけっこうツボだったりします。「ここまで言ったら気づけよ!」って。最初はびっくりしましたけど、聴けば聴くほど面白くて気に入ってます。

―本作はMizcaさんにとってどんなアルバムになりましたか?

Mizca:このアルバムを通して、エレクトロの中のMizcaというジャンルが確率出来たかなって思いますね。『キラキラ☆』とか『ダメよ?』の可愛らしい雰囲気から、 

かっこよかったりクールな感じのサウンドも詰まってるので、Mizcaを知らない人でもこういう音楽を好きな人にはたぶんハマってもらえると思いますし。たくさんの方に聴いてもらえたらなって思います。

―最後はシングル『ダメよ?』にちなんで、UNGA!読者にもダメ出しをして締めてもらえればと思うんですが!

Mizca:え!? じゃあ、えーと…『ダメよ?』と『?UFUFU?』聴かないと、ダメよ?(笑)。

(interview:小林博之)


002_j


ALBUM
「?UFUFU?」
2010.7.21
CRCP-40279
http://www.mizca.jp/


※このインタビューは、UNGA! No.131(2010.6.30発行)に掲載された物です
  • ライブドアブログ